漢方薬は生薬を煮出して煎じ薬としたり、磨りつぶして粉薬として服用します。
この漢方薬に用いる生薬は単にすべて採取してきた物をそのまま乾燥して
刻んだり磨りつぶせば良いわけではありません。
生薬を漢方薬として用いられるように処理・加工することを修治と言います。
その方法は生薬ごとに幾通りもの方法があります。
あまり一般的に説明されることのない話ですが、すでに生薬問屋で周知されて
販売されているものもあれば、
必要な修治がされずに忘れられてしまっているようなものもあります。
修治の目的を大きく二つに分けると以下のようになります。
1,そのままでは毒性や刺激性などがあり、それを除くためになされる場合。
附子など
2,そのままで用いるよりも効果を増すため、あるいは別効果を引き出すためになされる場合。
芍薬など
1に関しては基本的に周知されてから販売されているので、
今回はおもに2の場合を中心に生薬ごとに書き進めたいと思います。
威霊仙
修治方:酒炙
威霊仙500gの乾燥品に紹興酒約50mlを吹きかけ、
ラップで包み1時間ほど放置し中まで湿潤させる。
中華鍋などの鉄鍋を用い、弱火でよく乾燥するまでから煎りする。
目的 :祛風止痛作用の増強
延胡索
修治方:酢炙
延胡索500gに食用酢100mlを霧吹きなどで吹きかけ、
ラップでくるみ密閉し、1時間ほど放置し仲間で湿潤させる。
その後、鍋に取り弱火で酢のにおいがなくなり、
飴色になるまで炒める。
目的 :止痛作用の増強
黄耆
修治方:清炒
黄耆を中華鍋に取り、弱火で黄褐色になるまで炒める。
目的 :補気作用の増強
修治方:蜜炙
蜂蜜100mlを中華鍋にとり、水50mlを加え攪拌しながらゆっくり
加熱していく。
全体的に泡だったところへ黄耆500gをいれ、素早くかき混ぜる。
このとき竹または木製のへらを用いた方が良い。
弱火で攪拌しながら炒めきつね色になりべたつきがなくなれば、完成である。
目的 :補気・潤燥作用の増強
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